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2020.02.10
立花隆 知の旅は終わらない
大槻書店の「マルクス資本論全5巻」は当時、高田馬場の質屋に持って行くと4千円で質草になった。大学4年間は学生運動が吹き荒れた時代。ひ弱な学生運動家を蔑視した彼は池袋にあった極真空手にはいり連日、青あざで帰ってくる。田中清玄の存在を教えてくれた。宇都宮徳馬もそうだがその時代は左から大きく揺れて戻ってきたやつが本物だと。40歳で大臣として国会の赤じゅうたんを踏むことが彼の目標だとも。僕自身海運論で著名なゼミにはいることも決まり大学3年になる時、その教授が急死し他のゼミは関心なく終わった。船会社で巨万な富を築くことを考えたのも彼からの刺激だが、その後の業界の長期不況を考えると僕自身は強運だった。後年、証券会社時代M首相の息子で僕の兄貴分から田中清玄の本を読んでいると、「徳、面白オヤジだよ」「会いたいなら今は伊東に住んでいる」「紹介する」ことだったが暫くして亡くなった。現在の早稲田大学17代目総長は息子さん。僕自身の知の旅はかくも行き当たりばったりだった。
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