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2015.06.11
富と一杯のラーメン
その会社はいまもあった。未上場の優良会社を観ていてその中にあった。大学卒業の前の半年、ひょんないきさつから当時、高田馬場にあった牛丼店にコック、米、野菜の仕入れ、レジ、バイトの採用など終いには全て任された。オーナーは新潟から夫婦で出てきて運送業と海外のタイヤメーカーの代理店で成功し当時、僕が知りうるなかで巨万の富を築いた。渋谷の高級住宅街に住んでいた。働き者の夫婦は、娘夫婦に牛丼店を始めさせ、その後FC展開を考えていた。よくある話、若旦那は相当の浪費家であてがってもらった店も休み、賭け事ばかり。そんな時の出会いだが、娘夫婦、二人とも休んで店を投げ出したなかオーナー夫人は一生懸命、米をとぐおおきな苦労のかたまりの手とめて、「宇都宮さん、今日もおかげさんで大入り。高田馬場の駅前にある夜鳴きそばが食べたい、いつも帰りに入りたいとおもうのだが、一人では」と。店を閉めたあと、行った。働き者のオーナーと富めない時、食べたラーメンと同じ。おいしいと。ビックボックスからの青い月はゴッホの星月夜のように。
40年が経つ。もちろん、オーナーも夫人も役員履歴にはいない。株主構成も同族、当時の資本金はいまも変わらない。
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