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2015.09.29
最高の文体
谷崎潤一郎の「春琴抄」は日本語による最高の文体だと思う。高校2年の頃、谷崎潤一郎の「痴人の愛」を読んだ。重厚な文体に引き込まれた。琴の師匠の美貌を永遠にするために盲目になる主人公など、到底、17歳の心には恐ろしくて「春琴抄」は受け入れられなかった。谷崎文学の最高傑作。文章力、物干し場から雲雀を放す描写など、全て考えつくされた精緻な物語の構成には圧倒される。ここ数年、読んだなかでもいちばんの小説。谷崎潤一郎の文体は、ルノアール、ルノアールに学んだ梅原龍三郎を連想する。
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