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2009.10.29
日本文化、日本語について
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10月28日付日経新聞「大機小機」のコラム、「シンガポールはアジアの代表か」は秀逸の評論です。
英語を使い、英国法の法制度を用いるシンガポールは英語での情報開示で資本市場での利便性が高い、また、シンガポール大学のMBAランキングが上位など英語能力によりアジアを代表する国家であるかのような振る舞いをする。
しかし、コラムの筆者はこうした繁栄に目を奪われてはならないと鋭く指摘しています。一部引用しますと
筆者がシンガポール国立大学で「貴国には政治・社会・文化的な悩みはないのか」
と質問した時の彼らの困った顔を思い出す。日本は100年以上も前から外国の言語を日本語にし、その後、社会科学についても独自の学問と文化を発展させ、今また言語の壁を乗り越えてその立場を発信する。この100年間の欧米の変化も織り込まないと、こうした複雑で文化的な営みは続けられない。国民の多くが大学に行き、多数の私学が存在し、社会的な困難の一切に立ち向かう成熟した市民社会を目指す日本こそ、欧米文化と真に対峙してきたアジアを代表する国である。」
福澤諭吉をはじめ明治維新の先駆者は英語のEconomy「エコノミー」の概念の意味するところを中国の漢字、古典「経世済民」から「経済」に翻訳、置き
換えています。
そして、中国に逆流し「経済」「共和国」など日本人の先駆者が用いた概念、言葉、漢字を中国の言葉として使っています。
これは日本語の滅びる時の作家、水村美苗氏が指摘する日本語の表現の多様性と息つかいなど世界言語の中でも素晴らしい言語です。
フランスの社会人類学者のエマニュエル・トッド氏にしてもこの頃の海外の評論の方が今おかれている日本が歴史的転換期にいる事を指摘しています。
明治維新的な変革の時期であることは間違いないし、乗り越えた後に素晴らしい
日本国があると確信する。
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                   創徳企業情報 代表取締役社長 宇都宮徳治
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