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2018.11.14
東山魁夷が初めて買った絵 長谷川利行
昭和23年のこと、3日間の入場者が僅かに37名の「長谷川利行展」を見に行った。私はそのなかで「裸婦」の小作品に心をひかれた。極度に単純化された表現の、不思議な作品である。私はそれと「赤い道」の二点を買った。どちらも孤独感と寂寥感をたたえた中に素純なものが光る作品である。
私自身、漸くどん底から這い上がってきたばかりの頃で、絵など買う余裕がなかった筈である。恐らくよほど安い価格であったであろう。そのころ住んでいた工場の二階借りの、狭い部屋にそれを掛けた。この絵は、私が生まれて初めて買った絵である。東山魁夷(放浪の天才画家 長谷川利行展)図録1976年
なんとも不思議なことで最初この東山魁夷コレクションを見たときの僕の驚き。東山魁夷と長谷川利行。画風も生き方も大きく違う。ここ2,3日このことを考えたがよく理解できる。


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