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2017.09.20
真贋 小林秀雄
小林秀雄の審美眼をかりるまでもなく、絵画を観て購入して来た。20年近くなる。
小林秀雄と梅原龍三郎の対談集、「直観を磨く」のなかで対談がかみ合っていない。審美眼の神様は梅原龍三郎に上げた。もうだいぶ以前この対談集を読んでから、小林秀雄の評論から遠ざかっていた。僕の感性で絵画買い始めた。美術館賞と買うという行動には大きな隔たりがあり決断がいる。そして手元のものを整理して、次に。真剣勝負だとおもう。
「モオツァルト・無常という事」のなかに評論「真贋」があり週末手にして読んでみた。
壺中壺の創業者、広田松繁、西山保が出てくる。友人の青山二郎からニセ物と云われた呉須赤絵の大皿の真贋のため、日本橋の壺中居にもって行き鑑定する場面が書かれているが、この道に関心あるものには興味深い描写だ。

昭和20年の前後2年間、小林秀雄は評論を書いていない。唯一、梅原龍三郎を書いている。
このころの小林秀雄は単なる評論家として美術館賞としてでなく、品を買ってみないと真贋はわからないと江藤淳に話をしたそうな。真贋で真剣勝負をしていたのだ。


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