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2017.07.06
400字のデッサン 野見山暁治
法隆寺の壁・・・和田英作の章
芸大の学生のころ野見山暁治さんが一昔前の校長、日本の西洋画の長老、和田英作と法隆寺の壁画の模写に偶然同席したバスでのことが書かれている。本当に名文だ。

「宇都宮さん、油絵とはこのように描くものですよ、と見本の様な描きかた。芸大の校長、和田英作の作品です」と日動画廊のE学芸員。静岡の三保の松原周辺を描いたもの。F20号で観ていて、その手法は完璧だ。「どうです?」とE氏。「うーん」と僕。

同じく戦時中、その周辺で描かれた、梅原龍三郎のガッシュ。掛け軸のようでもあり、描かれた富士は梅原龍三郎そのものの。黒田清輝の材木座で描かれた「残月」
和田英作、梅原龍三郎、黒田清輝の作品、ここ十数年で尽く見送った。石井白亭の「野尻湖」は4年かけて購入した。絵画とは好みの問題だと思う。

野見山暁治さんの「400字のデッサン」文部省にねじ込んで日本画でなく油絵が法隆寺の壁画の模写に向いていると唱えた気骨の和田英作が好きになった。

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