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2017.01.25
黄犬(キーン)ダイアリー 高見順が記した大空襲

「私の眼に、いつか涙が湧いてきた」「私はこうした人々と共に生き、共に死にたいと思った」鎌倉から上京し母親を疎開させようと上野駅に向かうとそこには被災者の長い列。家を焼かれ、家族を失い、打ちひしがれていたはずなのに、静かに辛抱強く列をなし待っていた。その様子に高見順はこころを打たれた。70年前の東京大空襲を当時、日記に残した人気作家、高見順。

彼が愛した、そんな日本人は今も生き続けている。4年前の震災直後、被災地では暴動が起こるのでもなく秩序は保たれ、避難所では少ない食料を分け合い、子供は高齢者の手を取って支え合った。その光景に世界は涙した。ニューヨークの自宅でテレビで見ていたドナルド・キーンさんは、私も高見と同じ心境だった。「日本人と一緒に生きたい」と。

2015年3月8日の黄犬(キーン)ダイアリーより

黄犬キーン

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