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2017.01.10
熊谷守一 木村定三という生き方

「宇都宮さんのコレクションに熊谷守一は是非、一点お持ちになられたら」と日動画廊で20年来、懇意にしているA氏。F5です。「だし値は、いくら」と私。2400万ですと彼。熊谷守一はまた人気が出てきてこの価格は流通価格だとおもう。日動画廊笠間での熊谷守一展、それ以前、20年近く熊谷守一作品はじかに観てきている。

青木繁と同級生で青木繁が唯一心を開いた人間。岐阜の裕福な家庭で育ったが極貧の中、息子を医者に連れて行くことも出来ず死なせてしまった。その時の作品が「陽の死んだ日」

30代の10年間でたった1作品しか残していない。家族は食べていけない。その時、20代の木村定三は熊谷守一にがんぜんと絵をかかせた。この熱意がすごい。収集した熊谷守一作品は100点ほどになったが、彼が亡くなってから愛知県美術館に婦人により寄贈された。相当の資産だが。

木村定三はだいぶ以前調べたことがあるがコレクターとして20代の時、熊谷守一を見出すぐらいの力量のある目利きの人。一流だ。

定番のコーヒーを頂、およそ1時間くらいたった。「見送ります」と私。下値を探ってくると思ったA氏は拍子抜け。ことしは秋に国立近代美術館で熊谷守一展が開催される。文化勲章も辞退した気骨の画家。たぶん、大人気だとおもう。熊谷守一はたぶん、一生手元には置かない作家。

 

熊谷守一

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