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2016.12.05
入江観の世界

やけに、人が沢山出ていたイルミネーションの銀座界隈の土曜日だった。入江観さん奥様と銀座の老舗料理店で夜、会食をした。入江観さんは銀座の画廊でのご自身の「独歩晴天」の増刷刊行のサイン会を終え、来られた。僕は今年から、三浦半島、観音崎、日光にドライブする時にはスケッチブックを持ち歩き、スケッチを40年ぶりに再開した。「宇都宮さん、描いた物を、是非、見せて下さい」と入江観さん。女子美名誉教授でもある入江観さんだが、こと絵画、芸術に関しては僕は少年のように意地悪をする。3点ほど描きたい構想がができつつあるが・・・少年の頃も、沸点になるまではいっさい動かない。大芸術家を前にしても。

入江観さんが50代の時、春陽会の重鎮、中川一政氏と一緒に奈良に通い琵琶湖を描かれた「湖上麗水」1991年作が僕が大好きで、 先月の会食の時も「これは何処に?」とお聞きした。 春日のコースターを裏にして「若井画廊」と書かれた。今は画廊も無く、購入された方も解らないとのこと。25年前の作品。琵琶湖の寂しいところでスケッチする入江観をじっと車の中で待つのは寂しく、怖いと婦人。

パリの留学から日本に帰国され長い年月を経て、やっと日本の景色の美しさを見つけた頃の入江観の作品で勿論、描いた本人も好きな作品。

ふぐを食べつつ僕自身の学士入学の話、高校時代留学を夢見て手紙を出した利根山光人、先月、入江観さんが野見山暁治さんとパリで観られたメキシコ展など、話は尽きず、楽しい時間があっというまに過ぎた。

ドウメニル湖の樹 入江観(F8号)

入江観 春日

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