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2011.10.25
川端康成と東山魁夷
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ノーベル文学賞受賞の川端康成が美術の造詣が深く一流のコレクターであることを新聞で知った。僕自身も好きな東山魁夷の展覧会には川端康成が揮毫したり、ノーベル賞受賞のお祝いに東山魁夷が自作の日本画を送ったり、新聞では川端氏の壺・絵画など一流のコレクターであった事をこと細かく書かれており、僕自身がこの期において知った事が驚きかもしれない。
先週、週末銀座の日動画廊に時間あり寄った。一流の画商でもあるN氏がおり、川端康成氏のコレクションの話になった。N氏の先輩格の画商が当時、川端康成邸に出入りをしていて、懇意にさせて頂いたそうだが、画商仲間の世界では川端康成氏は金払いが悪く評判が良くなかったとの事。絵画の購入の意思表示をして、画廊も川端氏だからずっとながいあいだ買い置き状態で持っているが、他の顧客の注文がきて、しびれを切らし催促しても購入しないこともままあったらしい。誠に画廊、画商泣かせの人だったらしい。
実はこのことはノーベル文学賞を取り日本文学・日本の美を世界に知らしめた文豪の評判を落とす事はなにひとつない。画家と画商とコレクターとの取引の世界は調べれば調べるほど、取引すれなするほど不思議な世界かもしれませんが、実はプロとして職人として審美眼を磨けば磨くほどに一つの黄金のルールがみえてくるものだ。
翻って(ひるがえって)画商の立場で、贋作を見抜き、一流の画家の絵画なり、陶芸を売る事がどれほど難しいことかを考えると天を仰ぎ足がすくむ思いかもしれない。
画商泣かせの川端康成であったからこそ、浦上玉堂の凍雲篩雪図や、池大雅と与謝蕪村の合作 十便十宜図の国宝の絵画を手にする事が出来たのだ。
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                   創徳企業情報 代表取締役社長 宇都宮徳治
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