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2010.04.19
空海の風景
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空海は、インドでも唐でも、なお多分に流れた・・・土俗のにおいのある・・・状態にあった密経を、あまりにもみごとに矛盾を消し、論理化し、くるいのない結晶体としてつくりあげた。このため、空海以後に出てくる真言宗のひとびとは、教学の面でやることがなくなったのではないか。ということである。
いまでも、私のなかにその疑問がある。真言宗は空海以後、多くの俊才が出たが、しかし教義を発展させるという仕事は、ほとんどしてないように思える。空海が、完璧な体系をつくりすぎたせいではないか、ということである。
一方天台密教の成立は最澄が死んでからである。鎌倉の新興仏教の始祖たちが、最澄の持ち帰ったものを部分的に独立させ、深めた。(司馬遼太郎、空海の風景、下巻より)
僕自身の密経に対する永年の疑問が氷解した。
ことしはまだゆっくり空海の世界を回遊することにする。1992年5月20日読了から18年経過した春に。
%E3%83%AD%E3%82%B4.jpg     りんどうの花言葉:「正義と共に勝利を確信する」「気遣う心」     
                   創徳企業情報 代表取締役社長 宇都宮徳治
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