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2016.02.01
行く春の行方
福田たねが明治38年に太平洋絵画展覧会に出した「逝く春」は青木繁がそのあと手を加えたもので、2人の合作だそうな。
この「逝く春」をはじめに見た時の印象を美術評論家の高階秀爾氏は蕪村の行く春やおもたき琵琶の抱き心の句を唐突におもい浮かんだと書かれている。
実際の絵画は琵琶でなく琴であるがこれが描かれた時には福田たねは青木繁の子供をみごもっており、21歳のはかない青春時代に別れを告げ、青春時代への惜別をこめてこのタイトルをつけたのだと。
そして、文学にも造詣の深かった青木繁だが、くりかえす「行く」でなく永遠の決別である「逝く」とタイトルをつけたところにこの2人の想いがあったのだとも。
府中市美術館にある。
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