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2025.08.18
ミニ胡蝶蘭を贈る

数年前、約20年ぶりにK部長から会社に電話が。サラリーマン時代、札幌支店で仕事を学んだ。それ以来の会話だが、声も変わらず、長らく話が続く。それでは僕は東京にお越しの時はぜひ会いましょうと言って終話。その年の年賀状が奥様から届く。主人は闘病後亡くなりましたと。あの時の電話は主人がお別れする人へ、旅び立つ前に連絡したい人、しなくてもいい人のリストを病室で作り、電話をしたそうな。

とっくにサラリーマン時代より会社経営の方が長いのだが、昨日のことのように。人間性が問われる当時の証券業界にあって偉大なる常識人のK部長。サッポロ支店からは別々の勤務地になり、出会うこともなく。そして、僕は独立して自分の好きな道に。

お盆に届いたミニ胡蝶蘭。大阪の自宅をたたみ、長女が住む横浜のマンション近くに住むK夫人。80代後半。数年前と声は変わらず。

宇都宮さん今年もたいそう立派なミニ胡蝶蘭が届きました。弾む声。玄関前に飾ってあった主人と私の一緒の写真を居間に持ち込みいただいたミニ胡蝶蘭と一緒に。

せこく出世し社長、副社長になった芥川龍之介のクモの糸の主人公のような人々。こんな人が・・サラリーマン時代で唯一良い思い出としてK部長。20代の新人時代を思い出す。

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