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2024.01.09
年間365万人が観る 多田美波「黎明」

帝国ホテルのロビーにある光壁「黎明」は多田美波さんの作品。夜明けの海をテーマに、刻一刻海が光を受けて変化するのをガラスの素材で創りあげた

帝国ホテルは1日1万人が往来する。年間365万人が観ることになる。芸術家冥利につきる。9年前3月20日(春分の日)89歳で鬼籍に入られた。存命ならお会いしたかった偉大な芸術家。

早朝、静かな館内で僕はこの角度から観るのが一番好きだ。そして、T副支配人から「宇都宮さん、いつものところからですね」と微笑んでくれる。

台湾高雄市生まれ。1944年女子美術専門学校(現・女子美術大学)師範科西洋画部卒業。1958年二科展入選、1960年二科展特選。1962年に多田美波研究所を設立し代表に就任。

の反射を用いた抽象的立体造形作品を制作。アルミニウムを叩き、シワをつけ半球状型に造形した「周波数」シリーズは代表作。昭和期平成期を代表する立体造形作家である。

皇居新宮殿、帝国ホテルリーガロイヤルホテル、在米日本国大使公邸(ワシントンD.C.)、外務省飯倉別館(公館)、河内長野市庁舎、などの室内・構内装飾や、壁面作品(レリーフ)を数多く手掛けた他、立体造形作品を制作した。

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