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2023.01.16
ニクラス・ブレンボー 寿命ハック

寿命を延ばし、脳を支配する寄生虫

鳥とアリの間を循環する寄生虫(サナダムシの一種)がいる。キツツキなどの腸内に棲み、その卵は糞に混じって排泄される。アリがその糞を食べると腸内で卵がかえり、寄生虫が棲みつく。アリの腸内にいれば食べるものに困らないが、卵を産めるのは鳥の腸内だけなので、最終的にはそこへ戻ろうとする。奇妙なライフサイクルだ。寄生虫は目的を果たすために、アリを完全に支配する。宿主にとってプラス面は(寄生虫に脳を支配されることにプラス面があるとしたらの話だが)寿命が延びることだ。寄生されたアリは、そうでないアリの少なくとも3倍長生きする。仕組みはよくわかってない。もちろん、寄生虫がアリの助けになろうとしているわけではない。鳥に食べられる可能性を高めるためにはアリを長く生かしておきたいだけなのだ。そして実際鳥が現れたら、寄生虫は極めて残酷な形で宿主をコントロールする。寄生虫はアリの自然な恐怖反応を阻害してしまうので、アリは逃げようとせず、ぼんやり空を眺めているのだ。

デンマークの若手分子生物学者、ニクラス・ブレンボーが現在の不老不死の最先端を書いた本。

寿命を延ばし、脳を支配する寄生虫の章を読んだ時、これは禅の世界。絵になると。描いてみよう。

ニクラス・ブレンボー「寿命ハック」新潮新書2022年12月20日初版

 

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