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2022.12.02
呼吸する絵画  吉武弘樹「未来の計画」

禁断の園を飛びだしたアダムとイブ。その向こうの二人の未来を指さしている。洋画壇の登竜門、昭和会でグランプリを取った吉武弘樹(芸大を首席で卒業)さんの「未来の計画」錚々たる審査員の満場一致で決まった名作品。実はこの作品、呼吸をするのだ。名品に触れて感情的に呼吸するのでなく、物理的に呼吸をする。この作品巨匠の道を歩む初期の作品になるが、吉武弘樹さんの手法点描(ドット)で描かれている。途方もなく繊細に、ドットで。丁度手を指す4つ目のこぶの白いドットが画布から離れアクリル板に移る。そしてある日には戻る。不思議な現象。「宇都宮さん、この絵は油彩でなく、アクリルで描きました。乾きが早く、それはそれで大変です」白い点も気象条件、油彩でなく水で溶くアクリル絵の具は室内の湿り気の影響で呼吸するのだろう。本当に物理的にも呼吸する、世界で唯一の名画。エントランスで楽しめる。

吉武弘樹(よしたけひろき)略歴/
1982年福岡県久留米市に生まれる。
2009年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。首席卒業制作 平山郁夫賞・台東区長賞受賞。
2010年アートフェア東京2010出品(日動画廊ブース)。
2011年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻修了。
2014年個展「原風景」(石橋美術館本館1階ギャラリー)。
2015年第4回青木繁記念大賞西日本美術展テレビ西日本賞、シェル美術賞2015オーディエンス賞受賞。
2016年第51回昭和会展昭和会賞、アートムーブコンクール2016大阪府知事賞、久留米市芸術奨励賞受賞。
現在無所属。

吉武弘樹未来の計画

吉武弘樹「未来の計画」50号S 昭和会賞受賞作品

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