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2024.05.14
画商Eさん

銀座の日動画廊でこの絵画に引きつけられて、じっと観ていた。山本貞の「響」です。今にも滝が溢れんばかり、ゴーゴーと水しぶきの音。今、決めておいた方がいいですよ。この絵画は誰かが買ってしまいます。もう少し、勉強できませんか?画家の希望で負けることはできません。それでは決めます。画商のEさんが赤札を付けた。この「響」をきっかけに、山本貞を知った。画商のEさんには現在作家も含め、いろいろ教わった。本人も画家志望だったが、目指す美術学校にはかなわず、画商に。物故作家の作品を前に聞く話全てが新鮮だった。僕自身、現役で美大の建築学科を受験。多少絵画の知識には自信があったが、その説明に納得した。よき導き手であった。10年ほど前、銀座のすきやばし次郎に上がる地下鉄のあたりで、見かけたのが最後だった。いつものように、模索する画家、セザンヌのように歩いていた。この響はいつも仕事の合間に見えるところに飾っている。手放さない。静寂の中に、勢いのある絵画。創徳のHPに長く使っている。

山本貞「響」油彩

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