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壺中対談Interview

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2023.12.12
墨磨機〈1〉

展覧会用大作を制作する時、大量の墨汁が必要となる。自分で磨るか市販の墨液を使うか?やはり自分は、書表現の一部でもあり•書美の重要な構成要素ともなる多彩な墨色を求め、固形墨を磨って使いたいと思っている。ただ必要となる磨墨液が大量となる為、墨磨墨の手を借りることとなる。(以前自分で磨っていた頃は、一日6〜7時間かかっていた。)

僕が中国に留学していた頃(1991〜1999年)、中国の固形墨の良品がなかなか手に入れられず、買えたものはどれだけ磨っても黒くならないやっかいな墨ばかりであった。当然その当時の書家の先生方もご自身で墨を磨ることはほとんどなく、市販の墨液を使うことが多かった。そのような環境の下では、墨色の勉強などする機会はなく、日本に戻ってから使用する水や宿墨の仕方等、試行錯誤の連続である。

今では、墨磨機無しの制作は考えられなくなった。

 

菊山武士(きくやま つよし)

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