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壺中対談Interview

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2023.12.07
佐理という謎(序)

藤原佐理というと書道を習っていなくても、日本史の授業などでその名を聞いたことがあるかと思います。三跡の一人小野道風が和様書道を創始し、藤原行成が和様書道を完成させたというのが日本書道史においての定説である。佐理はというと、中国風の書の傑作を残した能書家と記されるが、中国の書家(僕の知り合いのほとんどの書家)は、佐理の書こそが日本風であると見る。彼らの目には、佐理の奔放自在に書き流した変化に富む書状は中国風の狂草というより仮名書のように写っているのである。

日本人の考えと中国人の目に映る佐理の書は、まったく反対の評価であり、興味深いことでもある。この佐理という謎を少しずつ・ゆっくりと考えていきたい。

菊山武士

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